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case.23 ルヴァイドの場合
わたしは、彼の深みあるワインレッドの髪の毛がとても好きだ。
いつも、わたしの前を歩く彼はそのワインレッドの髪の毛を揺らす。
「どうした、。いつもより表情がゆるいな」
その低い声も、わたしを守ってくれる大きな体も、どれもこれも、みんな好き。(ただ、恋愛感情ではないのだけれど。)
「んふふ、なんでもなーいーよー」
「…そうか」
そうやって、優しく笑ってわたしの頭をなでてくれる大きな手。
出会った当初はこんな事になるなんて、一体誰が予想しただろう。わたしですら、未だにちょっと不思議な感覚。
もう、あの日から何年も経っているはずなのに。
「ルヴァイド様ー」
「あぁ、今行く」
金髪の頼れる部下に呼ばれて、彼は短い返事を返す。
(今日のわたしは、お留守番。)
「いってらっしゃい、ルヴァイド」
「行ってくる」
そう、わたしは嬉しいのだ。彼が近くにいてくれること、生きていてくれることが。
彼が持つ、深いワインレッドをずっとずっと近くで見ていられることが。
わたし達は、ちゃんと仲間なんだ。
「ふふー、何だかくすぐったいなぁ」
「何がくすぐったいんだ?」
「うわぁ!?ル、ルヴァイド!!あれ、イオスと一緒に行ったんじゃ…」
「ちょっと忘れ物を取りに、な。で、何がくすぐったいんだ?」
「わーわー!いいの!何でもないの!ほら、早く行った行った!!」
大人な彼は、いつだってわたしの先を行く。そう、いつだって。
「(この先、彼の歩む道にエルゴの加護がありますように…)」
いつまでも子供なわたしは、その背中を追いかけることしかできなくて、ちょっとだけ寂しいけれど。
(祈るように、目を閉じた。)
ルヴァイドください。
11 11/6
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